2022/03/24 06:06
35歳の頃、正社員になりたくて
就職活動をした。
受けまくっても落とされて、
ようやく辿り着いた某企業。
私はその企業で新人研修の仕事をしたかった。
面接は社長面接だった。
社長は60歳代の女性だ。
気品はあまりないが、気取ってない感じ。
会議室で面接は始まった。
面接と言う名の社長の独演会だった。
1時間半ほど続いたと思う。
話を要約すると、
①苦労してきた自分語り
②新人研修を担当してもらうが、まず現場から。
③正社員前提だが、一年は契約社員で。
と言う内容だった。
どこか腑に落ちなかったが、
就職活動に疲れていたので、
とりあえず働くことにした。
現場はコールセンターの二次対応。
つまり、クレーム案件の対応だ。
最初は勉強と思い働いていたが、
一向に新人研修の仕事に就かせてくれない。
社長に訴えた。
すると、ディナーに誘われた。
高級レストランの隠れ個室。
シャンパンやらコース料理でもてなされた。
だが、この財源は、私たちが働いている
給料の上前をはねたものだと思うと、
なんだか切なくなった。
仕事の話をすることなく、食事会は終わった。
相変わらずコールセンターでの勤務。
理不尽なことが重なり、
辞表を叩きつけて帰った。
すると社長から
「新人研修の仕事に就かせるから」
と詫びが入った。
どうしても研修の仕事がしたかったので、
戻ることにした。
新人研修の仕事は楽しかった。
だが、事務所で過ごす時間は最悪だった。
常に社長がいる。
無愛想な事務員もいる。
存在を消して過ごしていた。
ある日、事務員が数十万円分の
百貨店商品券を買いに出た。
何するんだろう?と思っていたら、
取引先への賄賂だった。
取引先は、インフラの大企業。
社長は
「これ(商品券)があるからうちは安泰」
などと言っていた。
心底腹が立った。
社会には、目をつぶらなければならない事が
あるのはわかっている。
だが、超大企業の会社で
そんな賄賂の裏があることに
心底腹が立った。
結局、正社員になれると言う話も
どうやら嘘だったらしい。
先輩方も皆、契約社員のままだった。
嘘で固めた会社だ。
曲がったことが本当に嫌い。
結局、コールセンターに戻れと言われたため、
次の日から仕事に行かなくなった。
