2022/03/31 06:03

知人は漬物が食べられない。

まぁ、苦手な食べ物は誰にでもある。

食感や味が嫌いだとか。

でも、知人の漬物嫌いの理由は違った。


幼稚園の頃、給食が出されて

みんなで食べていた時。

食べ終わり、食器を片付けている時に、

先生が気付いた。

漬物が残された皿があったのだ。

当時は給食を残せない時代。

先生は生徒全員に、

漬物を残したのは誰かと聞いた。

誰も答えない。

不毛な時間が流れ、先生の怒りが

ピークに達しようとしていた時、

知人は

「私が残しました」

と言った。

実は知人は食べ終わっていたが、

その張り詰めた空気に耐えられなくなり、

早く問題が解決すればと思って嘘をついた。

すると先生が

「残さず食べなさい!」

と言い、その、他人が残した漬物を

知人に無理矢理食べさせたそうだ。

真犯人はどう思っていただろうか。

とにかく、それが激しいトラウマになり、

その日から漬物が食べられなくなって、

50歳を前にしても、まだ漬物は

全くダメなんだそうだ。


この話を聞いた時、

なんて心の優しい人なんだと感動した。

と、同時に、幼心で受けたトラウマは、

人生にも影響を与えるほど

深いものだと知った。

小学低学年の時の水泳の時間に、

脱いだパンツを盗まれて、

教師が高々と私のパンツを掲げて、

「パンツを履いているか確認しなさい」

と言われた話とは深みが違う。


なんの話かわからなくなった。

今日はこの辺でおしまいにする。