2022/04/03 04:47

昔、とある劇団のワークショップに参加した。

表現やゲーム的なもの、

深層心理を形にするものなど、

とても興味深いものだった。

すっかりハマってしまった私は、

劇団長が主催する懇親会に参加した。

昔演劇をやっていたことや、

現状に不安があること、

また演劇を始めたいことなど、

色々話をした。

劇団は東京に拠点があるため、

もしその気なら、東京まで来るようにと、

お誘いを受けて、その日は解散した。


悶々と日々を送っていた時、

飲み会に参加していた、別の劇団の方から、

大阪で芝居があるから来ないか?

と、招待を受けた。

何か進むべき道が開けるかと思い、

気合を入れて、着物で観劇に行った。


招待すると言われていたので、

てっきり無料かと思ったら、

チケット代をきちんと徴収された。

そこで「?」となっていたが、

まあ仕方ない。支払って会場へ。


演劇自体はさほど面白いものではなかった。

だが、招待を受けた事もあり、

飲み会で一緒だった方へご挨拶に伺った。

するとその人は、

「えっと…誰だっけ?」

と、私を見るなり言った。


愕然とした。

飲み会でかなり熱く語り合ったのに、

招待してる相手をわかってなかったのだ。

演劇は対する気持ちが一気に萎えた。


別の話だが、友人に

超有名芸能人がいる。

その人は、今は売れていない。

デビューする時は、

「俺、デビュー決まった!」

って真っ先に連絡くれた。

みるみるうちにスターダムにのしあがり、

地元の古い田舎くさい私とは、

合わなくなったらしい。

全くと言って連絡が出来なくなった。


もう一人の有名人は、

デビュー前に毎晩チャットで語り合う仲だった。

デビューが決まり、

コンサートをすると言うので、

楽屋へ挨拶に伺った。

ここまで話したら想像できると思うが、

相手は私のことを忘れていた。

消したい過去だったのか。


そういうことが立て続けにあり、

すっかり芸能界が嫌いになった。

一時は目指していた事もあったが、

属さなくて良かったと、

胸を撫で下ろしている。

もし私が芸能界に入っていたら、

人を蹴落としたりすることができず、

売れなかったであろう。

関西のしがないアクセサリー屋で、

本当に良かったと思うのであった。