2022/04/11 05:48

唯一記憶していたメールアドレスは、

中学生時代からの親友だった人のものだ。

私が置かれている状況について、

簡単にメールした。


すると、その友から

「今すぐ逃げなさい」

と、返事が来た。

軟禁されているにも関わらず、

逃げると言う思考を放棄していたが、

やはり逃げないと解決しないと知った。

それからタイミングをうかがっていた。

そんな時、一つのメールが届いた。

アドレス帳を消去されてしまったが、

受信拒否にはしてなかった。


メールは母親からだった。

飼っている犬の調子が悪いと書かれていて、

車で病院に連れて行ってくれないかとのこと。

監禁相手の男性は、動物には弱かった。

すぐに犬のことを話した。

書き忘れていたが、軟禁されていた間に、

家族旅行があったが、

欠席させられていた。

そんなこともあり、

親には勘付かれたくなかったのか、

犬を病院へ連れて行くことを許された。


この時しかない。


下手に荷物を持って出たら勘付かれる。

普通に近所へ行くような持ち物だけで、

車に乗り、ある所へ向かった。


……続く……