2022/12/13 09:32
親戚の男性に、銀行員がいる。
その人は、本当に性格が悪く、
金の亡者だ。
婚約破棄になった相手も銀行員だった。
大学を卒業して、親の後を継いで行員になった。
そんなわけで銀行員に対して、
破滅的に嫌悪していた。
しかし、とある理由で
自身も銀行員となってしまった。
私には親友がいた。
いや、相手が勝手に親友と思っていた。
中学生からの友達だったが、
性格に問題があり常にマウントを取るタイプ。
だから「同級生の気を使う先輩」と感じていた。
自分が気に入らないことはボロカスに、
親にも贔屓されていて、
妹が本当に不憫でならなかった。
そんな彼女の家(親に買ってもらった
新築マンション。妹はボロい実家暮らし)
に、空き巣が入った。
盗まれたものは、なんと飼い犬。
雑種だったが、珍しい風貌をしていた。
当時、私は無職だったので、
当然の如く犬探しに駆り出された。
自他共に認めるコミュ障の私が、
全然知らないお店や施設に
アポなし訪問させられた。
そして、事情を説明して
ポスターを貼らせてもらったりする。
飛び込みの営業を想像してもらえれば間違いない。
本当に苦痛だった。
必要経費だけ請求し、ノーギャラで、だ。
ものすごいストレスを感じた。
仕事なら辞められるが、友達はなかなか
やめることができない。
そんな辛い日々の中、派遣で銀行へ行かないかと
お誘いがあった。
とにかく逃げたかった私は、
その話に飛びついた。
そうして、地獄の日々から脱出した。
ただし、銀行は地獄の果てのようなところだったが。