2023/02/26 04:53
小学生の頃、なりたかった職業がある。
ベタだが、歌手だ。
アイドルというより、
自己表現ができるような、
シンガーソングライターというか、
そんなものになりたいと思っていた。
当時は’80年代アイドル全盛期で、
私ももれなく憧れていた。
けれど少しずれているところがあり、
「そこ?」「いや、知らない」
と言われるような歌手が好きだった。
ひねくれているのかもしれない。
学級会では、他の子たちとつるむことなく、
独唱を披露して、
学芸会でも、劇の中の独唱を選んだ。
本当に歌うことが好きだった。
だが、将来の夢を聞かれると、
「喫茶店をひらく」
と答えていた。
本当は歌手になりたかったが、
からかわれるのが怖かった。
25歳あたりまで、歌手になりたいと
薄らぼんやり考えていたが、
あれよあれよと歳をとり、
そのうちストレスか何かの後遺症かで、
歌うときの声が出なくなってしまった。
慌ててボイストレーニングに通ったが、
私の自慢の歌声が戻る事は無かった。
そうして儚く散った夢だが、
歌声を取り戻したら思いっきり歌ってみたい。
そして勘違いをして、
自主制作のCDを出したりしたい。
やっぱり、歌手になりたかったな。